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「業種や職種を軸に、労働者を広く結集し、業界を相手に労働条件の向上を求めていく運動」を研究。

  






     ◆更新(2017.07.15)
  ◆更新(2017.06.27)


◇・と き 2017年6月15日 午後6時半から
 ・ところ 台東一丁目区民館第一集会室
 ・6時30分~ 開会のあいさつ
  6時45分~ ①研究会の基調報告 木下武男(元昭和女子大学教授)
  7時15分~ ②報告「個別紛争とユニオン運動」嶋﨑 量(弁護士)
  7時30分~ ③業種別ユニオンの事例報告
         ・全日本建設運輸連帯労組近畿地本(生コン、港湾、トラック、介護)   西山直洋(近畿地本書記長)
         ・総合サポートユニオン(エステ、ブラックバイト、塾講師、介護、保育) 板倉昇平(執行委員)
  8時~   運営体制と運営委員の紹介、会場発言
 ・【司会】武藤弘道(都労連顧問)


◆更新(2017.07.15)
◇・6月15日(木)の発足シンポジウムの報告が、『労働法律旬報』(2017年7月下旬号、1892号、発行日 2017年7月25日、旬報社、本体2,000円+税)誌に掲載される。

 

◇・6月15日、東京で、「業種別職種別ユニオン運動」研究会 が発足しました。
  報告 書記長 仲村実、「NEW FACE」、2017.7.1、Vol.35、管理職ユニオン・関西 

 
 △全体のPDFは、表紙をクリックして!


 





     ◆研究会の基調報告
   業種別職種別ユニオン運動の課題と基盤






 ◆木下武男
 元昭和女子大学教授。専門は現代社会論、労働社会学、女性労働。著書に『若者の逆襲―ワーキングプアからユニオンヘ―』(旬報社)、
『格差社会にいどむユニオン―21世紀労働運動原論』(花伝社)など多数。


 
     
   △司会:武藤弘道(都労連顧問)

 
◆当日のレジュメから
Ⅰ.業種別職種別ユニオンとは何か
1 業種別職種別ユニオンの3つの特質
   「発展モデル」(理想型)であり、選別のモデルではない。
(1)業種――業種を軸に労働者の結集をはかる
   ①業種単位の個人加盟組織
    既存の企業別組合の集合体(産業別・業種別)=企業単位に労働者を結集して業種に。
   企業単位もグループとしてつくる(決定権を持たない)。
(2)職種――職種を貸金や雇用など処遇の基準にする
   ◇職種別賃金を将来方向としてめざす。
   「横断賃率論」の実現可能性の時代
   ◇労働市場の規制
    優先雇用協定や労働者供給事業の活用
(3)業界――業界を相手にした団体交渉をめざし、労働協約を確定する。
 ①労働組合の機能である「集合取引」
  労働力商品の銘柄(職種)ごとに同じ値札労働協約を確定する(職種別賃金)をつける=「共通規則」
労働力商品のバーゲンセール(労働者間競争)をなくすため、まとめ売りをする=「集合取引」
 ②個別的労使関係→集団的労使関係(複数企業)→業種別労使関係の構築をめざす
 ③業界の健全化をめざし、業界に働きかけると共に、政府への政策闘争展開する

2 業種別職種別ユニオン「運動」
(1)「業種別職種別運動」での連携・共同
  ①産業別業種別の企業別組合の集合体
  ②地域基盤の労働組合の業種別部会
(2)業種別職種別運動
  ①業界の規制・健全化
  ②政府への産業政策闘争 
Ⅱ.業種別職種別ユニオンが担う課題
1 日本労働運動の再生
(1)民間労働運動の暗転
   ◇⇒1975年
 ➡図1 半日以上労働争議の労働損失日数と組織率の推移
  
(2)官公部門の労働運動の後退
 ①1980年代半ば――官公労
 ②2000年代――公務員組合
 ➡図2 適用法規別組合員数の推移

(3)たたかうナショナル・センターの後退
 ➡図3 加盟団体別労働組合員数の推移

(4)労働組合衰退の根本的要因
    ◇既存労働組合の路線
      大幅賃上げ路線と企業別組合の墨守
    ◇未組織労働者の組織化戦略の欠如

2 新しい生活と雇用システムの構築
(1)年功貸金システムの破綻と職種別賃金
 ①年功賃金の生活困窮メカニズムへの転化
 《1》春闘の欠陥
   ・「共通規則」≠年功賃金+「集合取引」≠企業別組合
   ・二つの条件:企業別組合の力量と労働力不足→崩壊
 ➡図4 雇用状況の推移

 《2》年功賃金の3つの特質
  ◇決定基準(属人)――同一労働同一賃金の実現不可能
  ◇賃金水準:単身者賃金(初任給)から世帯主賃金
  ◇上がり方:年齢別上昇カーブ
 ②貧困化
 《1》ベアゼロ・定昇ストップ
  若者=単身者賃金で固定
 《2》非正社員の増大
  非正社員賃金=最低賃金制の水準に連動
  最低賃金額:民間の低賃金(初任給水準)に規定
 ➡図5 給与と初任給の推移

(2)代替システムのユニオンよる構築
 ①日本的雇用慣行からユニオンによるシステムの構築
  1.職種別賃金
  2.職種別労働市場
  3.福祉国家
  ジョブ型賃金+産業別組合

 ➡図6 雇用者報酬の推移の国際比較

                            
 ②賃金制度のイメージ
  1.業種別職種別ユニオンのよる職種別賃金の実現
  2.職歴により昇給する職種別賃金
  3.職種別賃金運動と最低賃金制運動との結合

  ➡図7 将来の賃金システムのイメージ図


Ⅲ.業種別ユニオンの客観的条件と主体的条件
 1 客観的条件:非年功的労働者の登場と貧困化
   ――労働者類型の変化と労働組合の形態転換――
     ◇日本特有の移行形態
(1)時代の転換:属人的処遇の枠内での移行
     今日の労働社会の変動
     <第四象限> ⇒ <第三象限>
 ➡図8 労働社会の区分のイメージ図
 ➡図9 属人的処遇の2類型のイメージ図


(2)今日の労働者類型
    ❶年功的正社員の残余的存在:第四象限
    ❷非年功型正社員〈上層〉:成果主義・常時リストラのもとの大企業労働者
    ❸非年功型正社員〈下層〉:非昇進昇給の正社員〈ポスト給〉、「ブラック企業」
    ❹非正社員
(3)業種別職種別ユニオンの基盤と役割
  ①ユニオンの基盤
   1、2000年代以降はじまった第四象限から第三象限への移行、その第三象限の❸と❹
   2.これまでの第三象限だった建設運輸、社会的サービスなどの専門職労働者
   ②ユニオンの使命
    ◇貧困と過酷な労働、雇用不安は、第三象限に居続けることで生じている。
    ◇業種別職種別ユニオンに結集し、ジョブ型労働改革を進める。
    ・ユニオンの実力によって第三象限を脱出し(Exodus)、第二象限へ向かう⇒時代の大転換
     非年功的労働者からジョブ型労働者に転化させる。
    ◇さらに第二象限から第一象限へ向かう(福祉国家)

 2 主体的条件:反貧困運動の再出発と活動家集団の萌芽
(1)「敗北的中断」の克服
   ◇2006年からの新しい労働運動と第一次反貧困運動
    派遣切り一反貧困運動=対改府運動とイベント主義
    民主党政権の自壊と時代閉塞状況への回帰
   ◇第二次反貧困運動の開始
   ・貧困の克服はユニオニズムしかないとの歴史の王道に
   ・労働相談・生活相談→個別紛争→紛争の解決→終息
          ★ユニオンへの結集 ⇒ 業種別結集へ
(2)「外部構築」をめざす活動家集団
  ①形態転換の背景――貧困化
   ◆形態転換は活動家集団の手によって実現された
   ◆反貧困の「ニュー・ユニオニズム」(new unionism)
    ・1889年:ロンドン/ドックの大ストライキ
    ・新労働組合運動/ニュー・ユニオニスト
   ◇「旧」と「新」との論争
  「『新』と『旧』との真の違いは、この国から貧困を一掃することがユニオニストの仕事だということを、われわれは認識しているが、『旧』は認識していないというところにある」
  ②形態転換を担う活動家集団
   <ユニオニスト・老エンゲルスのねたみ>
  ◇「イースト・エンドの目ざめこそ、この世紀末最大の、最も実りゆたかなできごとの一つ」であった。「私は命あってそれに出あったことを誇らしく、またうれしく思う。マルクスが生きて、これを目にすることができたなら!」
  ◇「ドック・ストライキでのあなたの活動がうらやましい」。「私は、この活動にくわわることのできる人たちを再度うらやむ」
(3)「業種別職種別ユニオン運動」研究会→ユニオン結成をめざす活動家集団を理論研究面で支援
 ◇1897(明治30)年:労働組合期成会(機関紙「労働者の世界」、遊説、結成支援)
     ←アメリカ帰りの労働者=職工義勇会
  ・高野房太郎:アメリカでAFLのオルグ資格
  ・期成会を母体に3つの職種別ユニオンを結成
     鉄工組合(機械工)、日鉄矯正会(機関方、火夫)、活版工組合
 ◇衰退(治安警察法)
  →「暗い谷間の時代」→1920年代:産業別組合の可能性・衰退→戦中:産業報国会
        →戦後:企業別組合
 ◇「業種別職種別ユニオン運動研究会」
  ・労働組合期成から120年をへてつくられた、職種別ユニオンの結成を期成する研究会
  ・期成:「ある物事を必ず成就させようと誓うこと」(広辞苑)

(注)➡図版は下記を参照してください。

  
     
図1 半日以上労働争議の労働損失日数と組織率の推移
(出所)厚生労働省「労働争議統計調査」・「労働組合基礎調査」より作成
 図2 適用法規別組合員数の推移
(出所)厚生労働省「労働組合基礎調査」より作成
 図3 加盟団体別労働組合員数の推移
(出所)厚生労働省「労働組合基礎調査」より作成
     
 図4 雇用状況の推移
(出所)厚生労働省「労働力調査」より作成
図5 給与と初任給の推移
(注)月間現金給与額は企業規模30人以上の常用労働者
  年間給与額は1年以上勤続者
(出所)厚労省「毎月勤労統計調査」、「賃金構造基本統計調査」、国税庁「民間給与状態統計調査」より作成
図6 雇用者報酬の推移の国際比較
(出所)労働政策研究・研修機構『データブック国際労働比較2015』のデータより作成
     
図7 将来の賃金システムのイメージ図
図8 労働社会の区分のイメージ図 図9 属人的処遇の2類型のイメージ図



  報告「個別紛争とユニオン運動」






◆嶋﨑 量([しまざき ちから] 弁護士)
神奈川総合法律事務所所属、ブラック企業対策プロジェクト事務局長、ブラック企業被害対策弁護団副事務局長、反貧困ネットワーク神奈川幹事など。
共著に『ブラック企業のない社会へ』(岩波ブックレット)、『ドキュメント ブラック企業』(ちくま文庫)など多数。



   業種別ユニオンの事例報告   



   ◆当日のレジュメから
「業種別職種別ユニオン運動」研究会発足記念シンポジウム
文責:全日本建設運輸連帯労働組合
           近 畿 地 方 本 部
           書記長  西山  直洋
業種別ユニオン運動の事例報告

1、関生支部の歴史
①1965年関生支部結成(背景資本との闘い→集団交渉へ)
②労組が中小企業の大同団結で大企業からの収奪と闘う(一面共闘・一面闘争)
③集団交渉(統一要求・共同交渉・統一妥結・統一行動)
④圧送労働組合の結成(圧送業界の業種別運動へ)
  ⑤2010年の139日のゼネスト
⑥協同組合運動(どの業種でも模索できる)
2、近畿地区トラック支部の結成
 ①1986年支部結成
 ②関生型産業政策運動を取り入れるために
  「トラック産業の将来を考える懇話会・近畿」を結成(2012年結成)
  主にサーチャージ・NOx問題等を取り組む(行政交渉等)・(3労組・約50社参加)
3、関西クラフト支部の結成
 ①2016年支部結成
②業種別に組織する。(産廃清掃部会・医療介護部会・一般部会)
 ③現在は「安心できる介護を懇談会」に業種別労組として参加し、介護問題で運動をつ くり出す(8労組で懇談・行動)
以  上

  ◆西山 直洋:全日本建設運輸連帯労働組合近畿地方本部・書記長



   ◆当日のレジュメから
総合サポートユニオンの運動戦略

1.総合サポートユニオンの概要
○経緯
 →2014年に個人加盟制労働組合として発足
  →電話・メール相談→面談→組織化
  →ブラック企業被害対策弁護団と連携
○組織構成:
→総合サポートユニオンの支部には、介護保育ユニオン、エステ・ユニオン、個別指導塾ユニオン、ブラックバイトユニオン、ブラック企業ユニオンがある

   ◆板倉昇平(執行委員・総合サポートユニオン[エステ、ブラックバイト、塾講師、介護、保育])
◆当日のレジュメから


2.運動・組織化戦略
○エステ・個別指導塾業界
→業界大手からのパターン・バーゲニング
  →地方の一店舗から全国的・全社的な改善を交渉
  →象徴的事件・普遍的問題として社会的に発信し、同一の条件の同業他社への波及
○介護・保育業界
→地域労働市場の独占
  →利用者・労働者ともに地域に密着
  →設置主体が行政(市町村)単位
  →地域の事業所を組織化、行政に働きかけつつ規制

3.介護・保育ユニオンの取り組み
○介護・保育業界の特徴
・売上高の9割は公的資金。
・介護も保育も市場化がすすめられているが、営利法人は未だ少ない
・中小零細の社会福祉法人が中心
・市場化に伴う労働条件の低下がサービスの質をもたらし、利用者のケガや死亡、虐待や殺人などの形で問題が顕在化。

○介護・保育業界の労働者の傾向
・労働条件が悪いために労働者の異動が激しい
・劣悪な労働条件
  →労基法違反の横行(休憩なし、不払い残業、持ち帰り残業)
 →低賃金.
・職種の意識が高く、企業意識が低い
・労働相談の多くは複数相談(4~5人で公然化多数)
・サービスの質を求める:良い介護、良い保育を実現したいという希望が強い
○闘争事例
・求人詐欺の保育事業所を改善
  →休憩なし、貸金未払いなどの労基法違反
  →求人詐欺:求人票では月給21万5000円、実際は18万円(3万円は31時間の残業代)
   →交渉の経緯:証拠を出さない、違法を認めない、損害賠償請求をしてくる
   →労基署の是正勧告を出させて、仙台市で記者会見で公表
 →改善:ホワイト求人協約(内定通知と労働条件通知書を同時送付)
   →仙台市の記者会見で発表→相談増加
・仙台グループホーム~地域ぐるみのたたかいで勝利
→グループホーム(労働者60名程度)の一施設(労働者15名程度)で、退職・分社化
 をめぐり争議
→地域との信頼関係
 →地域密着:地域の祭り・カフェなどの交流、町内会長の家で会議
  →利用者家族:認知症の利用者への良質なサービスで家族も信頼
  →行政:仙台グループホームの優良事例として、市の研修で講演に呼ばれている
→地域ぐるみの運動
  →地域住民による署名200筆、利用者家族、組合の連帯行動、ストライキ準備
  →組合員の休業中に地域住民・利用者家族のカンパ
  →行政への申し入れ
→分社化後の戦略:職種別制度への賃金制度見直し、子ども食堂運営、組合の拠点へ





 ◇6月15日、東京で、「業種別職種別ユニ  オン運動」研究会 が発足しました

  ◆報告 書記長 仲村実


   ・「NEW FACE」、2017.7.1、Vol.35、管理職ユニオン・関西 〒530-0044 大阪市北区東天満1丁目10番12号 エル・エスト不動産 天満ビル4階 401号室 TEL 06-6881-0781















        
 
  

  
   
      

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 編集人:飯島信吾
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UP 2017年06月20日
更新 2017年06月20日
更新 2017年06月27日
更新 2017年07月15日